Googleアナリティクスを使い始めたばかりだと、専門用語ばかりで何が何やら分からないという方も多いと思います。
実際、用語の定義など分かりにくいところも多くあります。
この記事ではGoogleアナリティクスを導入したばかりの方向けに、基本的な見方や用語を解説します。
導入したてという方はまだデータが少なく余計に分かりづらいと思うので、Googleアナリティクスのデモアカウントで色々試してみましょう。
「Google Merchandise Store」というサイトの実際の計測データを見ることが出来ます。
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まずは画面を見てみます。
ログインすると最初はこのページ(ホーム)になると思います。
どのページでも左にメニューが出ていますが、「レポート」と書いてある下を見てください。
Googleアナリティクスで分かることは大きくこの5つに分けられます。
ざっくり説明すると、こんな感じです。
リアルタイム | 今現在の状況(今何人見てるかなど) |
オーディエンス(ユーザー) | どんな人が来てくれたか(年齢、性別、地域など) |
集客 | どこから来たか(検索、リンク、直接など) |
行動 | 何を見ていったか(どのページか、何ページかなど) |
コンバージョン | 成果はあったか(目的の行動をしてくれたか) |
Googleアナリティクスにはスマホアプリもあります。
スマホアプリの場合は左上のアイコンをタップすると表示されます。
ユーザー=オーディエンスです。
パソコン版でも少し前までは「ユーザー」と表現されていました。
「コンバージョン」は「目標」と「eコマース」に分かれています。
これ以外にもGoogleはちょこちょこ表現を変更することがあります。
パソコンとスマホアプリで表現が違うことも多々あるので、(カテゴリーの中の選択肢も違う)同じようなデータを見るのに少しコツが要ります。
とりあえずはパソコンをメインに、スマホアプリはサブ的に扱います。
それでは見ていきましょう。
「オーディエンス(ユーザー)→概要(サマリー)」と進んでください。
順に見ていきます。
いつからいつまでのデータを見るかを選びます。
このページの全てのデータが、ここで選んだ期間のものになります。
スマホアプリの方はデフォルトで同じ長さの前の期間との比較になっていましたが、パソコンの方でももちろん比較出来ます。
計測期間のところをクリックして、「比較」のチェックを入れるともう1つ期間が表示されます。
期間の比較には少し注意が必要です。
例えば1ヶ月間を比較すると、
曜日がズレるので2つのグラフがズレています。
1日のアクセス数は曜日によって傾向がある場合が多いので、こういうことが起こります。
なのでこれを4週間にすると、
グラフが重なって比べやすくなります。
こう見ると、青のグラフの突出している日は何かあったかな、といった具合に考えるポイントが見えてきます。
「セグメント」とは「部分」や「断片」を意味する英語ですが、ここではどういった共通点で抽出したデータなのかを表します。
スマホアプリでは右上のアイコンから選択することが出来ます。
デフォルトでは「すべてのユーザー」になっているので表示されているのは全体のデータですが、他にも「モバイルトラフィック(スマホからのアクセス)」「自然検索トラフィック(検索エンジンからのアクセス)」「リピーター(2回以上来てくれたユーザー)」など、様々な条件で抽出できます。
複数設定出来るので、比較することも出来ます。(スマホアプリでは1つずつしか見れません)
試しに「モバイルトラフィック」と「タブレットとPCのトラフィック」を比較してみます。
「+セグメントを追加」をクリックします。
「すべてのユーザー」のチェックを外し、「タブレットとPCのトラフィック」「モバイルトラフィック」にチェックを入れ、「適用」をクリックします。
これで2つのセグメントを比較することが出来ます。
このサイトでは全ての数値で「タブレットとPCのトラフィック」の方が良い結果を出しているようです。
すでに見てもらっていますが、測定期間やセグメントなどで指定したデータがグラフ化されています。
赤枠のところを選ぶことでグラフを切り替えることが出来ます。
上の赤枠のところですと、2つまで設定して比較することも可能です。
右上の青枠のところではグラフの単位(細かさ)が選べます。
これはそのまま訪問者全体の人数と、その中で初めて訪問してくれた人数です。
計測期間内に何度来てくれたしてもユーザー数は1とカウントされます。
ここでの「ユーザー」と「ユニークユーザー」「アクティブユーザー」は同じものです。
「セッション」とは訪問回数のことです。
「サイトに訪れる→色々なページを見る→サイトから出る」ここまでが1セッションです。
サイトを開きっぱなしにして後で見ることもあると思いますが、デフォルトでは30分間ページ移動などの動きがなければセッションが終わります。
その後見始めるとまた新たなセッションとしてカウントされます。
「ページビュー数」はユーザーが見てくれたページの合計数です。
一度のセッションで、ページA→ページB→ページAという風に戻ってきたとしてもカウントされますので、このときのページビュー数は3になります。
ブラウザの更新などで再読み込みした場合もカウントされます。
「平均セッション時間」は、平均して1回のセッションでどのくらいの時間見てくれているのかという数値です。
「合計セッション時間÷合計セッション数」で割り出されます。
「平均セッション時間」と「平均セッション継続時間」と2つの表現がありますが、同じものです。
セッション時間についてはちょっと注意が必要で、実際の時間とはかなり異なる場合が多くあります。
先ほど、30分ページ移動がなければセッションが終わると説明しましたが、それはセッションの終わりをGoogleアナリティクスは判断出来ないからです。
ページを読み込む時にGoogleアナリティクスに連絡が行くので、いつから見始めたかは分かるのですが、サイトを閉じた時にはどのページも読み込んでいないので連絡が行きません。
30分連絡がないし終わっとくか、となっているだけです。
ということは計測出来るのはサイトに訪問があってから、最後のページを開いたところまでということになります。
最後のページを1時間見ていたとしてもそれは計測されません。
なのでセッション時間は実際よりも短いということを念頭に置いて、増減の比較などをメインに見ていきましょう。
「直帰率」とは1ページだけ見て帰ったセッションの割合です。
「サイト全体の直帰率」と「ページ毎の直帰率」がありますが、ここでは「サイト全体の直帰率」になります。
サイト全体の直帰率は「1ページだけ見て帰ったセッション数÷全体のセッション数」で割り出されます。
ちなみにページ毎の直帰率は「そのページだけを見て帰ったセッション数÷そのページがランディングページだった回数」で割り出されます。
「ランディングページ」とはセッションの最初のページ、さっきのセッション時間の図における「ページ1」のことです。
「New Visitor」は新規ユーザー、「Returning Visitor」はリピーターのことですが、ここでも注意が必要です。
1回しか来ていないユーザーと何度も来てくれているユーザーの数ではありません。
これはどちらもセッション数のことです。
初めて来たときのセッション、2回目以降のセッションの回数になります。
例えば、同じ人が3回サイトに訪れてくれたとします。(3セッション)
そうすると初めてが1回、2回目以降が2回になりますので、New Visitor が1、Returning Visitor が2とカウントされます。
さらには New Visitor は全期間の中で初めての時だけカウントされます。
例えば、計測期間を8月20日~30日にしたとします。
ある人が8月10日に初めて来て8月25日にも来た場合、Returning Visitor が1とだけカウントされます。
ここでは割合だけが表示されていますが、「オーディエンス→行動→新規顧客とリピーター」で詳細な数値も確認出来ます。
先ほど見て頂いたオーディエンスの項目には、概要以外のレポートもあります。
年齢、性別、興味のあること、言語、地域などのレポートもありますが、これらはネット上の行動から推測されたものやプロバイダ情報などから得ているものなので正確性に欠ける部分もあります。
とはいえ、結構当たっている部分もあるので傾向をチェックするのには役に立つはずです。
それ以外にもどのブラウザからアクセスしているか、どのスマホを使っているかなども分かります。
次は、それらの情報を分析するために必要な2つの要素、「ディメンション」と「指標」について説明します。
「行動→サイトコンテンツ→すべてのページ」と進んでください。
スマホアプリの場合は「行動→すべてのページ」です。
ここでの①が「ディメンション」、②が「指標」です。
分かりにくいなと思われたかもしれませんが、Googleアナリティクスのレポートは基本的にこの形なので重要です。
左側のメニューがディメンションの一覧と考えてもらうと分かりやすいかもしれません。
何について(ディメンション)何の数値(指標)が知りたいのかで見ていくとい
いでしょう。
このレポートで言うと「すべてのページ(ディメンション)」の「ページビュー数(指標)」が知りたい、といった具合です。
ディメンションは2つを掛け合わせることも出来ます。
1つ目を「プライマリディメンション」、2つ目を「セカンダリディメンション」と言います。
このセカンダリディメンションで「メディア」を選んでみます。
するとこう表示されます。
「メディア」はサイトへの流入元、検索エンジンや他のサイトからのリンクなどのことです。
ページビュー数が一番多いのは「organic(自然検索)」からの「/home」のようです。
「organic(自然検索)」とは普通の検索、つまり検索エンジンからの流入のことですので、「検索エンジンから来てトップページを見た回数」が一番多いということになります。
「ディメンション」と「指標」についてはこのぐらいで終わりですが、先ほどの画像の指標にまだ説明していない項目があったので、説明しておきたいと思います。
ページビュー数と似ていますが、ページビュー数が1回のセッションの間でも何回もカウントされるのに対し、ページ別訪問数は1セッションに1回のみカウントされます。
なので、「そのページが開かれたことがあるセッション数」になります。
「平均ページ滞在時間」は「そのページの合計滞在時間÷そのページのページビュー数」で割り出されます。
平均セッション継続時間に似ていますが、平均ページ滞在時間には最後になったページが計算に含まれません。
先ほどの計算式の「そのページのページビュー数」は「最後にならなかったそのページのページビュー数」ということです。
どのくらいじっくりそのページを見てくれたか、ということが分かります。
「閲覧開始数」は「ランディングページ」になった回数です。
先ほど「直帰率」のところで少し説明しましたが、「ランディングページ」とはセッションの最初のページのことです。
なので、「閲覧開始数」は「セッションの最初のページになった回数」となります。
どのページがサイトの入り口になりやすいのか、ということが分かります。
セッションの最後になったページを「離脱ページ」と言いますが、「離脱率」は「そのページが離脱ページになった回数÷そのページのすべてのページビュー数」で割り出されます。
「直帰率」は高いと悪いと言われることが多いのですが、「離脱率」に関してはちょっと違います。
アフィリエイトサイトを例にあげると、アフィリエイトリンクが貼ってあるページは離脱率が高い方が良いはずです。
アフィリエイトリンクをクリックすればサイトから離脱するわけですから、離脱率が低いとむしろクリックせずに違うページに行ってしまった割合が高いということになります。
離脱率はそのページの目的に応じて見方を変えましょう。
「目標値」を設定することによって、そのページが目標達成にどれくらい貢献しているかという数値です。
「目標値」を設定していない場合は0になります。
もう1つ大事な要素として「コンバージョン」があります。
「コンバージョン」は「変換」や「転換」という意味の英語ですが、一般ユーザーが顧客に転換するという意味で使われています。
「目標」とも言い換えられます。
これは人によって何をコンバージョンとするかが違いますので、設定が必要です。
アフィリエイトブログですと、アフィリエイトリンクのクリックをコンバージョンとしたいところですが、これは設定が結構難しいのでやり方についてはここでは割愛します。
目標は20個まで設定出来ますので、小さい目標からでもいいので設定してみることをおすすめします。
いかがでしたか?
結構ややこしい表現も多いので、なかなか1回ですんなりとは覚えられないかもしれません。
ただ、基本が分かれば大体で分かることも増えますし、Googleがまた表記を変えたりしてもなんとなく理解出来るはずです。
まだ始めたばかりではデータも少なく、分析という段階ではないかもしれません。
まずは記事を書いて、増やして、しっかり分析出来るようにユーザーを増やす必要があります。
覚えてくると色々比較して見るのが楽しくなってきてしまいますが、Googleアナリティクスは目的に合ったサイト作成が出来ているかを確かめるためのツールです。
手段と目的を間違えないように気を付けましょう。